「判断が細切れ」にされた日は、なぜトレードの質が低下するのか?

 

兼業トレーダーを続けていると、相場環境や手法は大きく変わっていないのに、なぜか判断だけが荒れる日があります。

無駄なエントリーが増えたり、確認が雑になったりするのに、その場では「おかしい」と気づけない。

こうした日は、その原因をチャートやテクニカルに求めたくなります。

しかし、振り返ってみると、トレードの前段階ですでに判断環境が崩れていた、というケースは少なくありません。

 

今回は「判断が細切れ」にされる出来事が続いた時、どのようにトレード判断へ影響していたのかを解説します。

判断が細切れ=強い疲労(事実)

この日は、判断や対応を何度も中断される出来事が続いていました。

あなたにも「判断を細切れ」にされた 経験があると思います。

作業の頻繁な中断、指示内容 変更、複数の作業の並行処理、など……仕事の種類に関係なく起こりうえます。

 

私の場合は、「会議」というカタチで判断を細切れにされました。

会議ごとに論点が変わり、結論がその場で出ないことも多く、「持ち帰ってアイデア出し」「ムダな確認作業」「次回再検討」が積み上がっていきました。

今回は会議という形で現れていましたが、問題の本質は「判断するための思考が途中で中断されやすい状況が続いた」という点です。

判断を細切れにされると、「脳の思考が何度も強制中断」されて、脳が ものすごく疲れるのです。

 

もしあなたの仕事が会議ではなく、一見 思考をしなさそうな単調作業やライン作業だったとしても、集中力を要する作業であれば、同じ状態が起きている可能性があります。

 

その時の自分の状態(行動・感情)

仕事を終えた時点では、強い疲労やストレスの自覚はありませんでした。

特に体調が悪いというわけでもなく、「今日は普通の一日だった」という感覚に近かったと思います。

 

ただ、後から振り返ると、頭の中には未完了の判断が残っていました。

決めきれなかったこと。保留になったこと。次に回した判断。

それらが”未完了のタスク”として、脳内にどんどん積み上がっていたのです。

 

加えて、「自分で完了させる」という感覚が乏しかった事も要因といえます。

判断の多くが途中で止まり、最終決定を自分の手で完結させる場面が少なかった。

「大きなタスクを1つ片付けた!」という達成感がなく、ただただ タスクが増えていく無力感、が自分の精神を侵食していました。

この状態は、表立った感情よりも先に、行動の変化として現れやすいと感じます。

トレードへの影響(結果)

精神状態の悪化は、トレードの質にも悪影響を及ぼします。

 

そんな状況で行ったトレード。

普段なら、明らかに見送る可能性が高い場面で、なぜかエントリーしていました。

「まったく考えなかった」というわけではありませんが、深い思考をしようとするよりも「まあ、これでいいだろう」という、半ば投げやりな、思考の浅さが浮き彫りになっていました。

 

エントリー基準の確認をする気力もなく、損切りラインも「予想したシナリオが壊れる位置➜撤退」ではなく、

「これ以上、損をしたくない➜損切りラインをかなり下に置く」という、願望最優先で置かれていました。

 

そんな事を繰り返したら、結果としてトータルで負けてしまうのは必然。

そして、負けが増えるにしたがって、思考ではなく自分の感情がさらに優位になっていました。

「今日はここで取り返してやる!」

……と。

原因の仮説(なぜそうなったか)

判断を細切れにされる➜「脳の思考が何度も強制中断」されて、脳が ものすごく疲れる。

↑これが、原因です。

……しかし、さらにここから「人間心理」にも深掘りしてみます。

判断が細切れにされる出来事が続くと、「決めて、タスクを完了する」という感覚が不足しやすくなります。

この不足は自覚されにくいまま、仕事後も残ります。

その状態でトレードに入ると、分析のための判断ではなく、「自分で決めている感覚」を取り戻すための行動が出やすくなる。

つまり、「自分で決めている感覚の不足」は、「自己肯定感の低下」をまねくのです。

自己肯定感が低下すると、「自分には軸がない」「他人の評価が気になる」という感情が強くなります。

すると、自己否定・無力感・ストレスにつながります。

 

”自分で何かを決定する”という実感が乏しいので、それを補う手段を、トレードに求めてしまいます。

その結果、入念な確認が減り、自分で決めたルールが緩み、エントリー(決定・完了)が早まる。

結果、トレードの質が下がってしまうのです

 

※重要なのは、これが特定の職種だから起きた、という話ではないことです。

会議に限らず、「判断が途中で止まりやすい日」「自分で完了させる感覚が少なかった日」であれば、他の職種でも同じ構造は起こりえます。

もしあなたの仕事が会議中心でなく、工場作業や現場作業だったとしても、「自分で決めて完了させる感覚が少なかった一日」であれば、同じ判断の歪みが起きている可能性があります。

対策の方法

この経験以降、私は「判断が細切れにされた日」は新規エントリーを控える、というルールを設けました。

相場の問題ではなく、環境の問題だと考えたからです。

ただ、兼業トレーダーにとって、常にノートレードを選べるわけではありません。

(しっかりと経験を積んで、早めに専業トレーダーになりたいので……)

 

なので、「トレード前に一つだけ確認して、問題なければエントリーする」ことにしています。

その確認内容とは、「自分で決定した行動・自分で完了したタスク。その有無」

もし思い当たるものが少なければ、自己肯定感の低下ひいては衝動的なエントリーにつながる恐れがあるので、その日はエントリーをしない、または少額にする。

それが、私が考える有効な対策です。

 

総括

兼業トレーダーの判断の荒れは、技術不足よりも、仕事によって作られた判断環境が原因になっていることがあります。

判断が細切れにされた日は、トレード判断が荒れやすい。

もし思い当たる節があるなら、チャートを見る前に、その日の仕事の「判断状態」を一度振り返ってみてください。

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